溺愛銃弾 〜スィート・マジェスティ~
「樹さんと一花お嬢さんを二の次にしろとは言いません。若頭としての責務を優先すべき時があると言ってるんです」
「それは俺が判断する。お前が口出すことじゃないよ」
「では判断を間違えないで下さい。親子の確執を持ち込んで組ごと潰すつもりですか・・・!!」
すりガラスの向こうから聞こえた玉置さんの声があんまり痛そうで、夢中でリビングに繋がる扉を押し開ける。
「陶史郎さん大丈夫だからっ、仕事に行っていいから・・・っっ」
ソファで足を組み、背もたれに肘を乗せた陶史郎さんが少し驚いたようにこっちを見た。そして分かりやすく作り笑いを浮かべた。
「起こしちゃったか。玉置がうるさくてごめんね、おいで」
自分の隣りをトンと軽くたたいて手招き。口許だけ優しいけど眼は氷の色。
「樹は気にしなくていいんだよ。僕が玉置を虐めてると思ったの?」
“僕”に戻して極道の顔を隠すとき、遠くに感じるのはなんでだろう。
「どうしても僕が必要なら行くけどね。支部会くらい組長ひとりで切り回せないようじゃ、どっちにしろ先が長くないねぇ」
他人事みたいに微笑んだ陶史郎さんに抱き寄せられ、おでこにキスが落ちる。
「それは俺が判断する。お前が口出すことじゃないよ」
「では判断を間違えないで下さい。親子の確執を持ち込んで組ごと潰すつもりですか・・・!!」
すりガラスの向こうから聞こえた玉置さんの声があんまり痛そうで、夢中でリビングに繋がる扉を押し開ける。
「陶史郎さん大丈夫だからっ、仕事に行っていいから・・・っっ」
ソファで足を組み、背もたれに肘を乗せた陶史郎さんが少し驚いたようにこっちを見た。そして分かりやすく作り笑いを浮かべた。
「起こしちゃったか。玉置がうるさくてごめんね、おいで」
自分の隣りをトンと軽くたたいて手招き。口許だけ優しいけど眼は氷の色。
「樹は気にしなくていいんだよ。僕が玉置を虐めてると思ったの?」
“僕”に戻して極道の顔を隠すとき、遠くに感じるのはなんでだろう。
「どうしても僕が必要なら行くけどね。支部会くらい組長ひとりで切り回せないようじゃ、どっちにしろ先が長くないねぇ」
他人事みたいに微笑んだ陶史郎さんに抱き寄せられ、おでこにキスが落ちる。