僕らの、この恋を。
歌の答え

歌の導き

僕、天宮琳(アマミヤリン)は昔からよく女っぽいと言われる。確かに、顔も子供っぽいと思うし名前も子供っぽいと思う。だが、やっぱり少しは女っぽいイメージとは離れたいと思う。でもどうすれば分からない。そんな日々が続いていた…

そしてこれは、ある時出会った1人の少女とのお話。僕らのラブストーリーは、あの日あの場所から始まった。

ある日の放課後。いつも通り僕は家に帰る道をボーッとしながら歩いていた。すると、歌が聞こえてきた。僕は、不思議と聞こえる方角へと歩いていった。

その歌の主は、なんとクラスメイトの桐谷蒼(キリタニアオ)だった。

僕がなぜこんなに驚いているかと言うと、彼女は僕とは正反対―つまり、男っぽいと言われやすい人なのだ。そんな彼女が、歌を歌っている。大抵の人は驚くだろう。そこで、僕は彼女には話しかけないで帰ることにした。幸い、彼女は僕に気づいてないみたいだ。その日は、すぐに帰った。

次の日、僕は彼女を観察することにした。
僕の予想通り、彼女は友達が少ない。話したとしても五分くらいでどこかへ行ってしまう。そして、いつもバナナオレを飲んでいる。それが一番以外だった。だがその日は意外な行動はなし。残念ながらわかることは何も無かった。(バナナオレが好きなことは分かったけど。)

だけど放課後、彼女に話しかけられた。
「今日ずっと私のこと見てるけど、何か用?」
ポロリ。つけようと思ってたイヤホンが落ちる。
僕は動揺した。
「…え。」
「しらばっくれても無駄。何か用があるんでしょ?」
「え、えーっと…」
どうしよう。まるでストーカーじゃないか。
今になって気づいた。
そのまま何も答えないでいると、
「…もういい。とにかく、明日はやらないで。」
…ピシャリと言われてしまった。
まぁ、また観察したところでわかることは無さそうだ。明日からはやめよう。

だけど、どうしても彼女のことが忘れられない。
勉強してる時も、ご飯食べてる時も、何してても彼女のことが気になる。何故だろうか。

この時の僕はまだ知らなかった。
もう1回、僕の人生を変える事が起きるのを。
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