僕らの、この恋を。

僕らの歌

ある日。
またボーッと帰り道を歩いていたら、彼女を見かけた。その日は目が合ってしまった。しかも彼女が歌ってる最中に。
「なに。なんか用?」
彼女が顔を赤らめながら答える。
やっぱり恥ずかしいんだ。そんなことを思いながら、
「いや、なんも無いけど。…歌上手だね。」
そう言った。
「…だからなに?どーせこの前も見て、ストーカーしてたんでしょ。」
ギクッ。また彼女に驚かされた。
「〜っそんなことより。なんで歌ってるの?」
「歌いたいからに決まってるでしょ。」
即答。そりゃそうか。そして、
「今日と、この前見たことは、秘密にして。」
「え?どういう…」
僕が言い終わる前に彼女は走り去っていった。
まぁ、秘密にしておくか。

その日から彼女は歌わなくなった。
まぁ正確には歌う場所を変えたんだろう。
…この前の、ずっとわすれられなかったのはなんどだろう。

次の日、同じクラスの澤井琉弥(サワイリュウヤ)に聞いてみた。1部を濁して。
「あのさぁ、友達から相談されたんだけど。」
「えっ、なんだよ。」
「その友達は、2回くらいしか喋ったことない人を忘れられないんだって。それってどういう気持ちだと思う?」
「うーん。ズバリ、恋じゃね?」
「…は?」
僕は目を見開いた。恋?この気持ちが?
「ん?琳、どうした?…めちゃくちゃ顔赤いぞ。」
僕はもっと驚いた。
「なんでもない。ありがと。」
僕は琉弥にそう言い、人気のない場所に逃げ込んだ。
…この僕が?恋?ありえない。
そんなわけない。でも完全的には否定出来ない。
だって、確かに彼女は僕の憧れであり、
…初めて見た瞬間から目が離せなかったから。
俺の頭の中は大混乱だった。まるで、大雨が降ったみたいに。
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