冷徹御曹司の旦那様が、「君のためなら死ねる」と言い出しました
初めては全部俺がもらう
捻挫した翌日は、上司に事情を話してあまり動かなくていい下処理の仕事に回してもらった。痛みが酷くならなければ一週間ほどでよくなるだろうとのことなので、このままなるべく安静にして過ごそうと思う。
その時に白藍総合病院の話になると、上司が『ちょうど白藍からヘルプに来てもらえないかって連絡があったところなんだよ』と言った。白藍の病院食も、パーフェクト・マネジメントが委託を請け負っているのだ。
わが社にはいくつかの部門があり、シェーレのような社食はビジネス部門、病院や介護施設はヘルスケア部門となっている。しかし、人手が足りなかったり欠員が出たりすると、近くの施設間で助っ人のやりくりをする。
今回は白藍で急きょ休職する社員が出たため、その穴埋めとして約一カ月ヘルプに入れる人を、病院から近いシェーレの調理員の中から見繕ってくれないかという話らしい。今のシェーレはひとり抜けても問題はないだろう。
それを聞いた瞬間、思わず『私、行きたいです!』と手を挙げていた。
私が白藍に入院していた頃、パーフェクト・マネジメントのおかげで病院食は美味しくないというイメージをがらりと変えられた。その体験が今の仕事を選ぶ大きなきっかけになったので、今度は自分がそこで働いてみたい。