冷徹御曹司の旦那様が、「君のためなら死ねる」と言い出しました
本当は束縛したい気持ちもあるのだろうと彼の本心を推測していると、桐人さんはふっと嘲笑をこぼして雑念を振り払うように軽く頭を振る。そして、私が持っていたハンドクリームと私の手を取る。
「そうだな、これは仕事だ。君にとっていい機会だろうから頑張っておいで。でも、病気のこともあるから絶対に無理はしないように」
マッサージするようにクリームを塗りながら反対せず気遣う言葉をかけてくれる彼に、私は微笑んで「はい」と返事をした。彼の手が大きく温かくて、とても気持ちいい。
ところが、納得したはずの彼はどことなくしょんぼりした様子を見せる。
「昼に君の姿を見られなくなるのは、業務のパフォーマンスが急降下しそうだが……」
「行きづらくなるようなこと言わないでください」
まったくこの社長様は……。ちょっぴり呆れるも、そこまで想われているのはやっぱり幸せだと、素直に嬉しくなった。
「そうだな、これは仕事だ。君にとっていい機会だろうから頑張っておいで。でも、病気のこともあるから絶対に無理はしないように」
マッサージするようにクリームを塗りながら反対せず気遣う言葉をかけてくれる彼に、私は微笑んで「はい」と返事をした。彼の手が大きく温かくて、とても気持ちいい。
ところが、納得したはずの彼はどことなくしょんぼりした様子を見せる。
「昼に君の姿を見られなくなるのは、業務のパフォーマンスが急降下しそうだが……」
「行きづらくなるようなこと言わないでください」
まったくこの社長様は……。ちょっぴり呆れるも、そこまで想われているのはやっぱり幸せだと、素直に嬉しくなった。