冷徹御曹司の旦那様が、「君のためなら死ねる」と言い出しました
「妹さんが……?」
「正しくは異母兄妹だけどね。親父が若い母親と再婚して、俺が十六の時にあいつが生まれた。赤ちゃんの頃から可愛がってるし仲もいいほうだから、病気がわかった時は俺もショックだったよ」
先生は少々複雑な家庭事情を語り、切なげな目をした。
私と兄は昔よくケンカをしていたけれど、年が離れているとそういうことも少ないのかもしれない。そんな妹さんが難病になってしまったのは相当ショックだろう。先生自身が扱っている病気ならなおさらだ。
「あの病気の精神的なつらさは君もよくわかるだろ。最近は卑屈になったり泣くことが多くなって、もちろん俺たち家族も励ましてるけど、実際に闘病した人の言葉のほうが心に届くと思う。秋華ちゃんさえよければ、少し話し相手になってもらえないかな?」
珍しい病気なので、あまり周囲に理解してもらえずつらかった当時を思い出して心苦しくなる。同時に結海ちゃんに共感もするし、経験者だからこそ励ましてあげられることがあるとも思う。
「ぜひお話させてください。いずれこのくらい元気になるよって、希望を持たせてあげられるかもしれないから」
自分を指差して明るく笑うと、蘭先生にも憂いを帯びた笑みが浮かび、「ありがとう」と返ってきた。
「正しくは異母兄妹だけどね。親父が若い母親と再婚して、俺が十六の時にあいつが生まれた。赤ちゃんの頃から可愛がってるし仲もいいほうだから、病気がわかった時は俺もショックだったよ」
先生は少々複雑な家庭事情を語り、切なげな目をした。
私と兄は昔よくケンカをしていたけれど、年が離れているとそういうことも少ないのかもしれない。そんな妹さんが難病になってしまったのは相当ショックだろう。先生自身が扱っている病気ならなおさらだ。
「あの病気の精神的なつらさは君もよくわかるだろ。最近は卑屈になったり泣くことが多くなって、もちろん俺たち家族も励ましてるけど、実際に闘病した人の言葉のほうが心に届くと思う。秋華ちゃんさえよければ、少し話し相手になってもらえないかな?」
珍しい病気なので、あまり周囲に理解してもらえずつらかった当時を思い出して心苦しくなる。同時に結海ちゃんに共感もするし、経験者だからこそ励ましてあげられることがあるとも思う。
「ぜひお話させてください。いずれこのくらい元気になるよって、希望を持たせてあげられるかもしれないから」
自分を指差して明るく笑うと、蘭先生にも憂いを帯びた笑みが浮かび、「ありがとう」と返ってきた。