冷徹御曹司の旦那様が、「君のためなら死ねる」と言い出しました
「顔、丸くなりました? 私、ムーンフェイスになるのが嫌でしょうがなくて」
「なったよー。それはもう大福みたいに」
顔周りを囲うようにして手で円を作ってみせると、彼女は絶望したような表情になって「いやぁ~」と叫び、再びベッドに倒れ込んだ。
きっとそれが一番心配なんだよね、と共感する私に、蘭先生がこそっと「少しだけ俺は席を外すね」と耳打ちする。目を合わせて頷くと、彼は静かにカーテンの向こうへ消えていった。
そばにあった椅子に腰かけると、結海ちゃんはこちらを向き、眉を下げて話し出す。
「秋華さんもつらかったでしょ? この病気終わりが見えないし、これからもどんな症状が出るかわからないし。私はお兄ちゃんのおかげで早期発見できたから、まだよかったけど」
そう言われ、闘病していた当時を思い返して「そうだね」と頷く。
私は発熱や倦怠感といった風邪に似た症状から始まり、そのうち足に痣のような紫斑がたくさん現れて、じんじんとしびれる痛みを感じるようになった。内科や皮膚科へ行ったけれど病名がわからず、白藍で検査をしてもらってようやく血管炎だと判明したのだ。
私の場合は足の動脈内に炎症が起き詰まりそうになっていて、手術が難しくて入院期間もかなり長く、その間に薬の副作用が出てきて顔が丸くなっていった。
「なったよー。それはもう大福みたいに」
顔周りを囲うようにして手で円を作ってみせると、彼女は絶望したような表情になって「いやぁ~」と叫び、再びベッドに倒れ込んだ。
きっとそれが一番心配なんだよね、と共感する私に、蘭先生がこそっと「少しだけ俺は席を外すね」と耳打ちする。目を合わせて頷くと、彼は静かにカーテンの向こうへ消えていった。
そばにあった椅子に腰かけると、結海ちゃんはこちらを向き、眉を下げて話し出す。
「秋華さんもつらかったでしょ? この病気終わりが見えないし、これからもどんな症状が出るかわからないし。私はお兄ちゃんのおかげで早期発見できたから、まだよかったけど」
そう言われ、闘病していた当時を思い返して「そうだね」と頷く。
私は発熱や倦怠感といった風邪に似た症状から始まり、そのうち足に痣のような紫斑がたくさん現れて、じんじんとしびれる痛みを感じるようになった。内科や皮膚科へ行ったけれど病名がわからず、白藍で検査をしてもらってようやく血管炎だと判明したのだ。
私の場合は足の動脈内に炎症が起き詰まりそうになっていて、手術が難しくて入院期間もかなり長く、その間に薬の副作用が出てきて顔が丸くなっていった。