冷徹御曹司の旦那様が、「君のためなら死ねる」と言い出しました
「じゃあ、妹さんに会いに行くのもダメって言うんですか?」
「極力控えてほしい」
淡々と言われ、私の中で反発心がむくむくと膨れ上がってくる。
蘭先生は、いくら恋多き人でもお互い既婚者の立場でよこしまな想いなんて抱かないはず。彼と会う可能性が高いからって、結海ちゃんにまで会うのを反対されるなんて納得がいかない。これでは束縛されているのと同じじゃない。
部屋の前に着き、顔認証でロックの解除をする桐人さんに、なんとか感情的になるのを堪えて口を開く。
「桐人さんは蘭先生が気に入らないのかもしれませんが、私はずっと前から信頼しているんです。彼は私の足を守ってくれた唯一の恩人なんですから」
ロックが開くと同時に、彼がぴくりと反応して一瞬動きを止めた。私は構わず話し続ける。
「先生が大切にしている妹さんの力になることが、その恩返しになると思うんです。私自身、彼女の悩みを聞いて励ましてあげたい。だから先生はともかく、妹さんとはこれからも関わっていくつもりです」
正直な自分の思いをきっぱりと告げて、ひとつ息を吐いた。そして、様子を窺うようにちらりと彼を見上げた瞬間、私は目を見張った。
「極力控えてほしい」
淡々と言われ、私の中で反発心がむくむくと膨れ上がってくる。
蘭先生は、いくら恋多き人でもお互い既婚者の立場でよこしまな想いなんて抱かないはず。彼と会う可能性が高いからって、結海ちゃんにまで会うのを反対されるなんて納得がいかない。これでは束縛されているのと同じじゃない。
部屋の前に着き、顔認証でロックの解除をする桐人さんに、なんとか感情的になるのを堪えて口を開く。
「桐人さんは蘭先生が気に入らないのかもしれませんが、私はずっと前から信頼しているんです。彼は私の足を守ってくれた唯一の恩人なんですから」
ロックが開くと同時に、彼がぴくりと反応して一瞬動きを止めた。私は構わず話し続ける。
「先生が大切にしている妹さんの力になることが、その恩返しになると思うんです。私自身、彼女の悩みを聞いて励ましてあげたい。だから先生はともかく、妹さんとはこれからも関わっていくつもりです」
正直な自分の思いをきっぱりと告げて、ひとつ息を吐いた。そして、様子を窺うようにちらりと彼を見上げた瞬間、私は目を見張った。