冷徹御曹司の旦那様が、「君のためなら死ねる」と言い出しました

『どうして……？　いつから、こんな平凡な私なんかを……』

『あなたの体調が気がかりで様子を見ていたのは本当です。ですがそのうち、難病というリスクを抱えながらもそれを感じさせない笑顔と明るさで人と接していたり、一日一日を精一杯働く姿を見て、女性として素敵だと感じている自分に気づきました』

　誠実な言葉の数々に、温かく包み込まれるような感覚を覚えた。

　こんなの奇跡だ……信じられない。すごく、すごく嬉しい。でも、どうしよう。本当に私でいいの？

　いろいろな感情が湧き起こって胸がいっぱいになる私に、桐人さんは〝こちらを見て〟と言わんばかりに頬に手を当てた。目を見つめ、言い聞かせるように告げる。

『自分の中に眠っていた愛情が、秋華さんと出会って呼び覚まされた気がしたんです。あなたが私を変えたんですよ。私にとってあなたは平凡じゃなく、なにより特別で、なんとしてでも手に入れたい存在です。……好きなんです、誰よりも』

　そんなふうに熱く告白されて、拒めるわけがない。感極まって涙目になりつつ、『私も、好きです』と返していた。