冷徹御曹司の旦那様が、「君のためなら死ねる」と言い出しました
 掻き混ぜられているところがうねる感じがして、なにかが背中を上ってくるような、妙な感覚を覚えるのだ。それに翻弄されて待ったをかけても、桐人さんは手を休めてはくれない。

「もっとおかしくなれ。俺の前でなら、いくらでも恥ずかしい姿を見せてくれていい。それが最高に嬉しいんだから」

 扇情的な瞳を向けられたかと思うと、彼は差し込んでいる指の辺りに顔を埋める。さすがに恥ずかしすぎて止めようとするも、柔らかな舌でなぞられる初めての感覚に、小さな悲鳴にも似た声をあげてしまった。

 そんなところを舐められるなんて、刺激が強すぎて「ダメ、ダメ」と無意識に呟く。あっという間に抗えない大きな波に襲われ、頭が真っ白になって身体がびくんと跳ねた。

 全身から力が抜けると同時に止めてしまっていた息を吐き出し、恍惚としながら荒い呼吸を整える。

 ……すごい、これが絶頂というもの? 行為自体初めてなのに、まさかこんなに感じてしまうなんて。

 とろんとした瞳に映る桐人さんは、上体を起こして満足げに自分の濡れた指を舐める。ぺろりと舌を出して微笑む彼のセクシーさは尋常じゃない。

「あー……本当に可愛い。秋華の初めてを全部俺がもらってると思うとたまらないな。そろそろ、君の中まで俺のものにするよ」

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