冷徹御曹司の旦那様が、「君のためなら死ねる」と言い出しました
「仕事頑張ってるみたいだね。よかった」
「そんな甘いこと言うてると、またちょっかい出してくるかもしれへんから気ぃつけや。あれだけ〝社長狙ってますアピール〟してた強烈な姉さんが、おとなしくしてるのはちょっと不気味やねん」
ほっとする私とは反対に、和奏は訝しげな面持ちでざっくばらんに言った。正直、私も完全に安心しきっているわけではない。
なにもしてこないのは、桐人さんに直接怒られたショックが大きかったせいかなと考えていたけれど、和奏の言う通り静かすぎてちょっと怖いところはある。
「うちの妹はほんまにお人好しやからなぁ。危機感持てやっちゅーねん」
突然、ぎこちないコテコテの関西弁が上から聞こえてきて、私たちは同時に振り仰いだ。
そこに立っていたのは、スーツ姿のわが兄。「よっ」と軽く片手を挙げる彼に私は目を丸くし、和奏は眉根を寄せる。
「どなた?」
「お兄ちゃん、なんでここにいるの!?」
私たちの声が重なり、和奏はキョトンとして私と兄を交互に見やる。そして、あんぐりと口を開けて驚愕した。
「秋華のお兄ちゃん!? てことは、シェーレの顧問弁護士の……!?」
「せやで~。よろしゅうたのんます~」
「なんやその下手な関西弁は」
「君、清々しいね」
「そんな甘いこと言うてると、またちょっかい出してくるかもしれへんから気ぃつけや。あれだけ〝社長狙ってますアピール〟してた強烈な姉さんが、おとなしくしてるのはちょっと不気味やねん」
ほっとする私とは反対に、和奏は訝しげな面持ちでざっくばらんに言った。正直、私も完全に安心しきっているわけではない。
なにもしてこないのは、桐人さんに直接怒られたショックが大きかったせいかなと考えていたけれど、和奏の言う通り静かすぎてちょっと怖いところはある。
「うちの妹はほんまにお人好しやからなぁ。危機感持てやっちゅーねん」
突然、ぎこちないコテコテの関西弁が上から聞こえてきて、私たちは同時に振り仰いだ。
そこに立っていたのは、スーツ姿のわが兄。「よっ」と軽く片手を挙げる彼に私は目を丸くし、和奏は眉根を寄せる。
「どなた?」
「お兄ちゃん、なんでここにいるの!?」
私たちの声が重なり、和奏はキョトンとして私と兄を交互に見やる。そして、あんぐりと口を開けて驚愕した。
「秋華のお兄ちゃん!? てことは、シェーレの顧問弁護士の……!?」
「せやで~。よろしゅうたのんます~」
「なんやその下手な関西弁は」
「君、清々しいね」