冷徹御曹司の旦那様が、「君のためなら死ねる」と言い出しました

　彼の瞳も、飢えた獣のような力強さを増す。私の後頭部を支えたかと思うと、甘く噛みつくようなキスが降ってきて、私も夢中で舌を絡ませて応えた。

　そのままベッドになだれ込み、絶え間なくキスをしながら服を脱がし合って素肌を重ね合わせる。ふわふわした意識が徐々に快楽に支配され、いつも以上に感じて、喘いで、乱れた。


　たっぷり愛し合った後、桐人さんとお風呂に入る頃には次第に酔いが冷めてきて、今になって恥ずかしくなっている。ふたりで一緒に入るのは初めてだから。

　このマンションは低層であっても高台に位置しているため、浴室はビューバスになっていて遠くにみなとみらいの夜景が見える。濡れた髪を掻き上げる桐人さんがセクシーすぎて直視できず、その綺麗な景色を眺めていると後ろから腕を回された。

　お湯の中でハグされるのも心地よくて、身を任せながら幸せなため息をつく。

「私、将来の自分がこんなに幸せな結婚生活を送れるとは思ってませんでした。桐人さんのおかげです」
「いや、君が俺を受け入れてくれたからだ。妻になってくれてありがとう」

　耳にキスをされ、胸がくすぐったくなる。クスクス笑ってじゃれ合いながら、ふいに先ほど和奏たちと話したことを思い出す。