冷徹御曹司の旦那様が、「君のためなら死ねる」と言い出しました
「あ……んっ、桐人さん……さっきしたばっかりなのに」
「関係ない。何度愛し合ったっていいだろう」

 逃がさないというように片方の手は腰に回され、与えられる官能的な愛を受け止めるしかなくなる。

「さっきの酔って乱れてる秋華、ものすごく色っぽくて興奮した。もう一度、俺に見せて」

 耳元で情欲をそそる声が囁き、ゾクゾクとした快感が駆け巡る。それだけで天に昇ってしまいそうなほど気持ちよくて、私も興奮してしまう。

 身体の向きを変え、彼と正面から抱き合って濃密なキスをする。ここには避妊具がないから、上がったらまたベッドに直行することになりそう。

 ぼんやり考えていたけれど、浴槽の淵に座らされて熱い中に指を沈められると、頭の中まで快感に支配される。お湯と混ざり合った淫らな音が響いて、恥ずかしいのにもっとしてほしくなる。

 せっかく汗を流したのに、バスルームを出てからも欲情は止められなくて、私たちは気が済むまで身体で愛を確かめ合った。


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