冷徹御曹司の旦那様が、「君のためなら死ねる」と言い出しました
その日は帰宅すると、なんだか身体が重くて夕飯を作る気になれなかった。きっと生理前だからだろうと思いつつ、桐人さんから【トラブルがあって遅くなる】と連絡が来ていたこともあり、私は簡単なもので済ませた。
トラブルって、きっと絢のお父さんの件だよね。大丈夫かな……。
それについて桐人さんと話したくて、ソファに身体を沈めて彼の帰りを待っていると、いつの間にか眠りに落ちてしまっていた。
「……か、秋華」
安心する声に名前を呼ばれ、意識が浮上してくる。ゆっくり目を開けると、少し疲れた顔で微笑む旦那様がいた。
「ただいま」
「あ……おかえりなさい……って、あれ? 私寝てた!?」
しっかり覚醒して姿勢を正す私を、桐人さんが愛しそうに眺めている。同じくらいの目線でしゃがんでいる彼の手にはスマホがあり、もしかして写真を撮ろうとしてた?と勘が働く。
「そのスマホは?」
「カメラを起動させたくなったが我慢したよ」
〝偉いだろう〟とでも言いたげな顔をしているので、私は苦笑いするしかなかった。今でも写真に納めたい気持ちはあるのね……。
時計を見やると、もう十一時になろうとしている。こんなに遅くまで対応していた彼を労おうとするも、それより早く彼が私をひょいと抱きかかえるので「ひゃっ」と驚きの声を漏らした。
トラブルって、きっと絢のお父さんの件だよね。大丈夫かな……。
それについて桐人さんと話したくて、ソファに身体を沈めて彼の帰りを待っていると、いつの間にか眠りに落ちてしまっていた。
「……か、秋華」
安心する声に名前を呼ばれ、意識が浮上してくる。ゆっくり目を開けると、少し疲れた顔で微笑む旦那様がいた。
「ただいま」
「あ……おかえりなさい……って、あれ? 私寝てた!?」
しっかり覚醒して姿勢を正す私を、桐人さんが愛しそうに眺めている。同じくらいの目線でしゃがんでいる彼の手にはスマホがあり、もしかして写真を撮ろうとしてた?と勘が働く。
「そのスマホは?」
「カメラを起動させたくなったが我慢したよ」
〝偉いだろう〟とでも言いたげな顔をしているので、私は苦笑いするしかなかった。今でも写真に納めたい気持ちはあるのね……。
時計を見やると、もう十一時になろうとしている。こんなに遅くまで対応していた彼を労おうとするも、それより早く彼が私をひょいと抱きかかえるので「ひゃっ」と驚きの声を漏らした。