冷徹御曹司の旦那様が、「君のためなら死ねる」と言い出しました
このレストランの肉料理は絶品なのだと、今夜のクリスマスディナーは桐人さんが予約してくれた。
彼はデートの場所を考えたり、前もって準備したりすることを決して面倒臭がらない。忙しくても必ず一緒に過ごす時間を捻出してくれる。
おそらく社員の皆さんが抱いている冷徹なイメージとはかなりギャップがあるだろうなと思いつつ、肉の脂が舌でとろけるのをしっかり味わう。
「ん〜、このステーキ本当にすごく美味しいですね! 口の中であっという間になくなる……」
「そうだな。でもどんな高級料理より、秋華が作ってくれた料理が一番美味しい」
なにげない調子で口にされたひと言に、じわじわと喜びが込み上げた。
こんな幸せな言葉も自然にかけてくれる。私にはもったいなさすぎる、完璧な旦那様だ。お世辞でも嬉しくて、謙遜するもニヤけてしまう。
「またまた。このお肉には負けます」
「毎日食べたくなるのは秋華の手料理だよ。それで社食にも通っているんだから」
確かに、桐人さんはカレーを頼み続けたあの頃から、会食などがない限りはずっと社食に来ている。社長が一般社員と肩を並べてお手頃価格のランチを食べるのを不思議がっている人もいるけれど、こんな理由だなんて思わないだろう。
彼はデートの場所を考えたり、前もって準備したりすることを決して面倒臭がらない。忙しくても必ず一緒に過ごす時間を捻出してくれる。
おそらく社員の皆さんが抱いている冷徹なイメージとはかなりギャップがあるだろうなと思いつつ、肉の脂が舌でとろけるのをしっかり味わう。
「ん〜、このステーキ本当にすごく美味しいですね! 口の中であっという間になくなる……」
「そうだな。でもどんな高級料理より、秋華が作ってくれた料理が一番美味しい」
なにげない調子で口にされたひと言に、じわじわと喜びが込み上げた。
こんな幸せな言葉も自然にかけてくれる。私にはもったいなさすぎる、完璧な旦那様だ。お世辞でも嬉しくて、謙遜するもニヤけてしまう。
「またまた。このお肉には負けます」
「毎日食べたくなるのは秋華の手料理だよ。それで社食にも通っているんだから」
確かに、桐人さんはカレーを頼み続けたあの頃から、会食などがない限りはずっと社食に来ている。社長が一般社員と肩を並べてお手頃価格のランチを食べるのを不思議がっている人もいるけれど、こんな理由だなんて思わないだろう。