冷徹御曹司の旦那様が、「君のためなら死ねる」と言い出しました
その可能性を考えた時、白鳥さんに気になる点がひとつあることを思い出す。それを直接確かめるべく、俺は白藍総合病院へ向かったのだが……白鳥さんの病室に入ろうとして、なにやら揉めている会話が聞こえてきた。
「ご迷惑をおかけして本当に申し訳ありません。カリウムの制限についてはもちろん理解していますし、注意もしていました。厨房では絶対に果物はつけていないんです」
「じゃあこれはなに? お見舞いにも持ってきていないし、厨房で出さなければここにあるわけがないでしょう」
謝罪する秋華と怒っている絢さんを見て、なにが起こったのかはすぐに理解し、俺は眉根を寄せた。
あの秋華が、腎臓病食で禁忌の果物を間違えて出した? 家でも職場でとったメモを見返して、特別食について勉強している彼女がそんなミスを犯すなんて信じがたい。
俺がいることに気づいてはっとした秋華は、唇を噛んで下を向く。声をかけようとしたものの、会釈だけしてとても無念そうに病室を出ていった。
臨床試験でのトラブルと、食事のミス。立て続けに起こるのは不自然じゃないだろうか。
なにか関係があるのではないかと引っかかるものを感じたため、絢さんに少し席を外してもらい、白鳥さんとふたりで話をすることにした。
「ご迷惑をおかけして本当に申し訳ありません。カリウムの制限についてはもちろん理解していますし、注意もしていました。厨房では絶対に果物はつけていないんです」
「じゃあこれはなに? お見舞いにも持ってきていないし、厨房で出さなければここにあるわけがないでしょう」
謝罪する秋華と怒っている絢さんを見て、なにが起こったのかはすぐに理解し、俺は眉根を寄せた。
あの秋華が、腎臓病食で禁忌の果物を間違えて出した? 家でも職場でとったメモを見返して、特別食について勉強している彼女がそんなミスを犯すなんて信じがたい。
俺がいることに気づいてはっとした秋華は、唇を噛んで下を向く。声をかけようとしたものの、会釈だけしてとても無念そうに病室を出ていった。
臨床試験でのトラブルと、食事のミス。立て続けに起こるのは不自然じゃないだろうか。
なにか関係があるのではないかと引っかかるものを感じたため、絢さんに少し席を外してもらい、白鳥さんとふたりで話をすることにした。