冷徹御曹司の旦那様が、「君のためなら死ねる」と言い出しました
芸人さながらのツッコミをした和奏の隣で、静かに私たちの話を聞いていた社長秘書の麗さんもグラスを片手に苦笑している。
「クリスマスは期待しちゃうよねぇ。私も思い出すわ」
「社長と付き合い始めたのがクリスマスでしたっけ。いいなぁ~」
以前聞いたなれそめでは、それはそれは極甘な夜を過ごしたそうなので、今の私にとっては羨ましくて仕方ない。
しょんぼりする私に対し、和奏は鮭のテリーヌにフォークをぶすっと刺した。切りっぱなしボブの黒髪がさらさらと揺れ、やや猫目の美人顔は見るからに不満げだ。
「そんな生殺し状態で手出さへんって、まさかドM? 男にとってはここぞ!って夜やったやんか、絶対。浮かれたムードを利用してベッドインするのが、クリスマスのカップルの定石やないんかい」
「それ旦那さんにそのまま言ってあげなよ」
麗さんが冗談混じりに言うと、和奏は「それは無理です」と真顔で即答した。さすがの彼女も本人には言えないらしい。
和奏は好き嫌いがはっきりしていてズバッとものを言う、竹を割ったような性格の美人さん。見た目と関西弁のギャップが面白い。
麗さんは私たちの四歳年上で、真面目で仕事ができる上にとっても可愛いお姉さんだ。そしてなんと、イケメンでやり手のわが社のトップ、不破社長と結婚している。美男美女で公私共に信頼し合っている、理想の夫婦だ。
「クリスマスは期待しちゃうよねぇ。私も思い出すわ」
「社長と付き合い始めたのがクリスマスでしたっけ。いいなぁ~」
以前聞いたなれそめでは、それはそれは極甘な夜を過ごしたそうなので、今の私にとっては羨ましくて仕方ない。
しょんぼりする私に対し、和奏は鮭のテリーヌにフォークをぶすっと刺した。切りっぱなしボブの黒髪がさらさらと揺れ、やや猫目の美人顔は見るからに不満げだ。
「そんな生殺し状態で手出さへんって、まさかドM? 男にとってはここぞ!って夜やったやんか、絶対。浮かれたムードを利用してベッドインするのが、クリスマスのカップルの定石やないんかい」
「それ旦那さんにそのまま言ってあげなよ」
麗さんが冗談混じりに言うと、和奏は「それは無理です」と真顔で即答した。さすがの彼女も本人には言えないらしい。
和奏は好き嫌いがはっきりしていてズバッとものを言う、竹を割ったような性格の美人さん。見た目と関西弁のギャップが面白い。
麗さんは私たちの四歳年上で、真面目で仕事ができる上にとっても可愛いお姉さんだ。そしてなんと、イケメンでやり手のわが社のトップ、不破社長と結婚している。美男美女で公私共に信頼し合っている、理想の夫婦だ。