冷徹御曹司の旦那様が、「君のためなら死ねる」と言い出しました
その可能性は私もずっと頭にあったので、彼女にずいっと顔を近づける。
「やっぱりそうなる?」
「愛する妻を抱かへん理由なんて、それしかないやろ。どこかに薬とかあるんちゃう? もしかしたら、症状を改善する最新の薬を開発しようとしとるかも……」
「真面目に言わないで」
難しい顔をする和奏に思わずツッコんでしまった。
シェーレでは近年、医療機器の他に新薬部門も立ち上げたので薬の開発も行っているけれど、さすがにED薬は作っていないと思われる。
麗さんはおかしそうに笑って、やっぱりアドバイスをくれる。
「なんだかんだで話し合うのが一番だと思うよ。結婚生活二年目の私だって、相手がなに考えてるのかわからない時もいっぱいあるもの。まあ、あの人は特殊な気がするけど」
〝あの人〟というのは、旦那様である不破社長のことだろう。調理師から社長になったという異色の経歴の持ち主であり、切れ者で社員たちのカリスマ的な存在となっている人なので、彼を理解するのは難しそうだなと私も感じている。
和奏もうんうんと頷いて、重役の方々と話をしている社長を一瞥する。そして「あの不破社長に愛されとるだけで、ほんまにすごいと思いますよ」と言うと、麗さんはストレートロングの髪を耳にかけながら照れ笑いしていた。
「やっぱりそうなる?」
「愛する妻を抱かへん理由なんて、それしかないやろ。どこかに薬とかあるんちゃう? もしかしたら、症状を改善する最新の薬を開発しようとしとるかも……」
「真面目に言わないで」
難しい顔をする和奏に思わずツッコんでしまった。
シェーレでは近年、医療機器の他に新薬部門も立ち上げたので薬の開発も行っているけれど、さすがにED薬は作っていないと思われる。
麗さんはおかしそうに笑って、やっぱりアドバイスをくれる。
「なんだかんだで話し合うのが一番だと思うよ。結婚生活二年目の私だって、相手がなに考えてるのかわからない時もいっぱいあるもの。まあ、あの人は特殊な気がするけど」
〝あの人〟というのは、旦那様である不破社長のことだろう。調理師から社長になったという異色の経歴の持ち主であり、切れ者で社員たちのカリスマ的な存在となっている人なので、彼を理解するのは難しそうだなと私も感じている。
和奏もうんうんと頷いて、重役の方々と話をしている社長を一瞥する。そして「あの不破社長に愛されとるだけで、ほんまにすごいと思いますよ」と言うと、麗さんはストレートロングの髪を耳にかけながら照れ笑いしていた。