冷徹御曹司の旦那様が、「君のためなら死ねる」と言い出しました
初めにご挨拶をした時、雑談でお酒はわりと強いほうだと話したけれど、本当に一緒に飲みたいと思ってくれていたのだろうか。
私は歓迎されていないのだと思っていたから、単純に嬉しくて一気に気分が浮上していく。
「私もご一緒したいです! お義父様は焼酎がお好きでしたよね。オススメのものがあるので、その時は持っていきます」
「ほう、君のセンスをとくと拝見しようじゃないか」
「素直に“楽しみにしてる”と言えばいいものを……」
呆れた調子で桐人さんがぼやき、私も笑ってしまった。お義父様って意外とツンデレなのか。ただ単に厳しい人ではないんだとわかると、恐れる気持ちが徐々に薄れてきた。
肩の力を抜く私に、桐人さんが無表情で言う。
「秋華、あの人は酔うとさらに面倒だ。無理に合わせなくてもいい」
「無理はしてませんよ。私も一緒に飲みたいんです。お義父様とも早く打ち解けたいから」
自然な笑みをこぼして彼を見上げると、その顔がふっとほころび「そうか。ありがとう」と返ってきた。そして彼は少し身を屈め、私の耳元に口を寄せる。
「着物姿、すごく綺麗だ。本当は俺がひとり占めしたかったんだけどな」
鼓膜から脳まで溶かすような声に囁かれ、ぽっと頬に熱が集まった。髪はアップにしているので、赤くなっているのはバレバレだろう。
すぐそばにご家族がいて、しかも今の今まで塩対応だったのに急に甘くなるんだから……。勇気を出して着つけした甲斐があったわ。初詣最高。
私は歓迎されていないのだと思っていたから、単純に嬉しくて一気に気分が浮上していく。
「私もご一緒したいです! お義父様は焼酎がお好きでしたよね。オススメのものがあるので、その時は持っていきます」
「ほう、君のセンスをとくと拝見しようじゃないか」
「素直に“楽しみにしてる”と言えばいいものを……」
呆れた調子で桐人さんがぼやき、私も笑ってしまった。お義父様って意外とツンデレなのか。ただ単に厳しい人ではないんだとわかると、恐れる気持ちが徐々に薄れてきた。
肩の力を抜く私に、桐人さんが無表情で言う。
「秋華、あの人は酔うとさらに面倒だ。無理に合わせなくてもいい」
「無理はしてませんよ。私も一緒に飲みたいんです。お義父様とも早く打ち解けたいから」
自然な笑みをこぼして彼を見上げると、その顔がふっとほころび「そうか。ありがとう」と返ってきた。そして彼は少し身を屈め、私の耳元に口を寄せる。
「着物姿、すごく綺麗だ。本当は俺がひとり占めしたかったんだけどな」
鼓膜から脳まで溶かすような声に囁かれ、ぽっと頬に熱が集まった。髪はアップにしているので、赤くなっているのはバレバレだろう。
すぐそばにご家族がいて、しかも今の今まで塩対応だったのに急に甘くなるんだから……。勇気を出して着つけした甲斐があったわ。初詣最高。