冷徹御曹司の旦那様が、「君のためなら死ねる」と言い出しました
「怖いわけじゃないんです。私も桐人さんが大好きで、抱き合いたいって気持ちは変わりません。ただ……」
「ただ?」
「……だ、抱き合うことで、桐人さんの執着心が暴走してしまわないか心配で」
思いきって正直に不安を打ち明けた。彼は一瞬キョトンとした後、当然のごとくあっけらかんと言う。
「何度も頭の中で君にしてきたことが現実になるんだ。暴走させないほうが無理だろう」
「抑える努力をしましょうね!?」
頭の中で私になにをしていたの?と野暮なことは聞かないでおく。それより、やっぱり一線を越えるのは危うい。少なくとも今は、彼の行きすぎた愛情を抑える自信がないもの。
注意されてちょっぴりむくれる彼は可愛いけれど、ここは引かずに意見を通そう。
「さっき桐人さんも言ったみたいに、どっぷり溺れちゃってお互い仕事に支障が出たら困りますよね。だから、抱き合うのは適度な距離感を保てるようになってからにしませんか?」
頭をフル回転させて言葉を選びながら口にしている最中に、ふと先日実家で見たテレビ番組を思い出した。
そうだ、私たちもあの方法を試してみればいいんじゃないだろうか。いい夫婦関係を保ちつつ、依存しないで生活していけるかもしれない方法を。
「ただ?」
「……だ、抱き合うことで、桐人さんの執着心が暴走してしまわないか心配で」
思いきって正直に不安を打ち明けた。彼は一瞬キョトンとした後、当然のごとくあっけらかんと言う。
「何度も頭の中で君にしてきたことが現実になるんだ。暴走させないほうが無理だろう」
「抑える努力をしましょうね!?」
頭の中で私になにをしていたの?と野暮なことは聞かないでおく。それより、やっぱり一線を越えるのは危うい。少なくとも今は、彼の行きすぎた愛情を抑える自信がないもの。
注意されてちょっぴりむくれる彼は可愛いけれど、ここは引かずに意見を通そう。
「さっき桐人さんも言ったみたいに、どっぷり溺れちゃってお互い仕事に支障が出たら困りますよね。だから、抱き合うのは適度な距離感を保てるようになってからにしませんか?」
頭をフル回転させて言葉を選びながら口にしている最中に、ふと先日実家で見たテレビ番組を思い出した。
そうだ、私たちもあの方法を試してみればいいんじゃないだろうか。いい夫婦関係を保ちつつ、依存しないで生活していけるかもしれない方法を。