冷徹御曹司の旦那様が、「君のためなら死ねる」と言い出しました
「私たちは私たちなりのルールを決めればいいと思うんです。例えばお金の管理や、食事は今まで通り一緒にして、寝室は別。休日の過ごし方もそれぞれで、時々デートの日を決めて出かけるとか。そうすればひとりの自由な時間も大切にできるし、愛情のバランスがうまく取れそうな気がしませんか」
振り返ってみれば、結婚してからは仕事中以外ずっと一緒にいるようになっていた。恋人期間もほとんどなかったから、適度に離れる時間も私たちには必要なんじゃないだろうか。
あともうひとつ、前々から真剣に考えていたことがある。
「それに、人生なにがあるかわかりません。特に私は病気が再燃する可能性もあるし、桐人さんをひとりにすることになるかもしれない。万が一の時は、私に囚われないで生きていってほしいんです」
私の難病は直接命に係わるものではなくても、危険な合併症を引き起こす可能性はある。それでも一緒にいてほしいけれど、私の命が尽きた後まで縛りたくはない。
病気については桐人さんもよく理解しているだろう。やや苦しげな表情で「秋華……」と呟き、私の身体を抱き寄せる。
「考えたくはないが、もし君が死んだら、君の骨を抱いて俺も死ぬ」
「ダメですよ」
斜め上を行く発言に、口の端を引きつらせる私。彼は「それは半分冗談として」と、また引っかかるひと言を口にして、大切そうに私の髪を撫でる。
振り返ってみれば、結婚してからは仕事中以外ずっと一緒にいるようになっていた。恋人期間もほとんどなかったから、適度に離れる時間も私たちには必要なんじゃないだろうか。
あともうひとつ、前々から真剣に考えていたことがある。
「それに、人生なにがあるかわかりません。特に私は病気が再燃する可能性もあるし、桐人さんをひとりにすることになるかもしれない。万が一の時は、私に囚われないで生きていってほしいんです」
私の難病は直接命に係わるものではなくても、危険な合併症を引き起こす可能性はある。それでも一緒にいてほしいけれど、私の命が尽きた後まで縛りたくはない。
病気については桐人さんもよく理解しているだろう。やや苦しげな表情で「秋華……」と呟き、私の身体を抱き寄せる。
「考えたくはないが、もし君が死んだら、君の骨を抱いて俺も死ぬ」
「ダメですよ」
斜め上を行く発言に、口の端を引きつらせる私。彼は「それは半分冗談として」と、また引っかかるひと言を口にして、大切そうに私の髪を撫でる。