冷徹御曹司の旦那様が、「君のためなら死ねる」と言い出しました

「なにがあっても、俺は君だけを愛している。決して囚われているわけじゃなく、死ぬまで君を愛すことが俺にとっての幸せなんだ。秋華もそれを覚えておいて」

　真剣な瞳と声色が胸に染み渡っていく。

　彼の愛は重いけれど、一途で尊いもの。それは確かだと実感し、頬を緩めて「はい」と返事をした。

　彼も柔らかな表情に戻り、納得したように頷く。

「わかった、秋華の言う通りにしよう。君の懸念材料は全部なくしたいから」
「ありがとうございます。じゃあ、一緒にルールを決めましょう」

　桐人さんの隠された本性もすべてわかったことで、もやもやが晴れて気分がすっきりした。これから彼のタガが外れないようにコントロールしていくのも、ちょっと楽しみかもしれない。

　謎のやる気が出てきてわくわくし始めていると、彼は艶めかしい手つきで私の背中から腰を撫でて口を開く。

「ルームシェア婚とやらを終えた時は、めちゃくちゃにされる覚悟をしておいて。適度な距離を保てるようになったとしても、俺の愛の重さ自体は変わらないから」

　どこか陰のある笑みを浮かべる彼にドキリとする。あれ、これ大丈夫かな……。

　距離を取るのが逆効果にならないよね？と若干の不安を抱きつつも、いつか理想の夫婦になって、心の底から幸せな気持ちで彼と繋がれることを祈った。