冷徹御曹司の旦那様が、「君のためなら死ねる」と言い出しました
とはいえ、それはやる気のある社員がいなければ成し得ないこと。厳しく接しつつも、彼らの意見や彼ら自身を大切にする気持ちは忘れないよう心がけている。
最低限の言葉でそれが伝わったらしく、若き弁護士先生は口元を緩めて「なるほど」と頷いた。そしてリラックスした様子でソファの背もたれに背中を預け、堅苦しさのない口調で言う。
「会社ではこんな調子なのに、実はうちの妹命!みたいな男だって知ったら、皆腰抜かすだろうなぁ」
そう、この弁護士……皐月くんは秋華の兄である。顧問弁護士になったのは秋華と恋仲になるよりも前で、同じ苗字であることと妹の話の内容から、おそらく兄妹だろうというのは推測できた。
そういった間柄からも信頼しているので、プライベートな話も時々している。俺がどんな愛し方をしているか、秋華に打ち明けるより前から彼は知っていたので、交際を報告した時は椅子ごとひっくり返りそうなほど驚愕していた。
なので、今も彼の言う通りだと全面肯定しておく。
「そうですね。秋華がいなければ生きていけませんし、彼女のためなら死ねます」
「重っ!」
表情は変えずに本心を口にすると、皐月くんは遠慮なくツッコんで口の端を引きつらせた。
最低限の言葉でそれが伝わったらしく、若き弁護士先生は口元を緩めて「なるほど」と頷いた。そしてリラックスした様子でソファの背もたれに背中を預け、堅苦しさのない口調で言う。
「会社ではこんな調子なのに、実はうちの妹命!みたいな男だって知ったら、皆腰抜かすだろうなぁ」
そう、この弁護士……皐月くんは秋華の兄である。顧問弁護士になったのは秋華と恋仲になるよりも前で、同じ苗字であることと妹の話の内容から、おそらく兄妹だろうというのは推測できた。
そういった間柄からも信頼しているので、プライベートな話も時々している。俺がどんな愛し方をしているか、秋華に打ち明けるより前から彼は知っていたので、交際を報告した時は椅子ごとひっくり返りそうなほど驚愕していた。
なので、今も彼の言う通りだと全面肯定しておく。
「そうですね。秋華がいなければ生きていけませんし、彼女のためなら死ねます」
「重っ!」
表情は変えずに本心を口にすると、皐月くんは遠慮なくツッコんで口の端を引きつらせた。