冷徹御曹司の旦那様が、「君のためなら死ねる」と言い出しました
君の世話は全部してあげる

 ルームシェア婚を始めてから約二週間、私たちは少しずつ変わってきた気がする。主にいいほうに。

 まず食事。これまで知らなかったのだが、桐人さんは夜に会食が入りそうになると意地でもずらしていたそうで、そんなに私を優先していたのかとお相手の方に申し訳なくなった。

 なので今は、仕事や予定があって家にいない時は無理に合わせたり待っていたりせず、それぞれ済ませることにしている。

 時間が合った日に一緒に食事をすると、今まで以上に会話も弾むし、料理を作るのも義務感より楽しさが上回るようになった。

 出退勤も別々にしたので、周りの目を気にしなくて済む。もちろん、隠し撮りも禁止。

 例のアルバムには私の寝顔を激写されたものまであったので、今後はやめるよう丁重に釘を刺しておいた。まあ、寝る時も部屋を別にしたので、もう寝顔を撮られることはないけれど。

 改めて気づいたこともある。

 掃除や洗濯は桐人さんも手が空いた時にしてくれていて、以前からとても助かっていること。顔を合わせて普通の挨拶をしたり、なにげない会話でも言葉を交わすのは大事だということ。

 ふたりで必ずしようと決めた、おはようとおやすみのキスも。夫婦仲を保つためにスキンシップは欠かさずしたいし、いい習慣はずっと続けていきたい。

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