青の葉の、向かう明日。
モノローグ
メモリー∞ディスティニー
脚本 深沢明(ふかざわめい)
この作品が世に放たれたのは、11月初旬に行われた文化祭のことだった。
演劇部の発表で何をやるか悩み、行き詰まっていた深沢明は親友に相談した。
明が親友と出逢ったのは高校1年生の時。
部室が隣の文芸部にたったひとり入った新入部員が明の親友だった。
演技もしたいけど、脚本家になるのが兼ねてからの夢だった明は好奇心から後に親友となる女子に声をかけた。
彼女の第一印象は、人見知りが激しくておとなしく、自分という世界の中でだけで息をし、妄想を繰り広げているような、面白いけど少し関わりづらい子。
でも、仲良くなれば、きっと胸の内を曝け出してくれるようになるだろう。
そう思っていた。
そして、それは当たった。
彼女は一度信用した相手には疑うこともなく自分のことをべらべらと話す子だった。
親子関係やずっと想っている大切な人のこと、
それに…書いている小説のことまで。
明は読んだ。
彼女の書いた小説を片っ端から。
全て小説投稿サイトにあって、ペンネームも教えてくれていたから見つけるのは容易いことだった。
面白いと思えるものはほとんどなかったけれど…ひとつ使えそうな題材があった。
高校生男女の時を超えた恋愛ファンタジー。
これ系の作品なら世にも山ほど存在するし、少しくらい改変すればアイデアを盗んだ、なんてことにはならない。
そもそも彼女なら少しアイデアをもらうくらい笑って許してくれそうだ。
明はタイトルや登場人物の名前を変え、劇用の台本に仕立てた。
小説とは少し話を組み替えたりもした。
だから、これは自分が作った作品。
深沢明が創り上げた作品なのだ。
そう言い聞かせた。
そう信じた。
明は彼女の名前など一切出さずに生徒配布用のパンフレットを刷り上げた。
その行動が後に大事件に繋がるとも知らずに。
脚本 深沢明(ふかざわめい)
この作品が世に放たれたのは、11月初旬に行われた文化祭のことだった。
演劇部の発表で何をやるか悩み、行き詰まっていた深沢明は親友に相談した。
明が親友と出逢ったのは高校1年生の時。
部室が隣の文芸部にたったひとり入った新入部員が明の親友だった。
演技もしたいけど、脚本家になるのが兼ねてからの夢だった明は好奇心から後に親友となる女子に声をかけた。
彼女の第一印象は、人見知りが激しくておとなしく、自分という世界の中でだけで息をし、妄想を繰り広げているような、面白いけど少し関わりづらい子。
でも、仲良くなれば、きっと胸の内を曝け出してくれるようになるだろう。
そう思っていた。
そして、それは当たった。
彼女は一度信用した相手には疑うこともなく自分のことをべらべらと話す子だった。
親子関係やずっと想っている大切な人のこと、
それに…書いている小説のことまで。
明は読んだ。
彼女の書いた小説を片っ端から。
全て小説投稿サイトにあって、ペンネームも教えてくれていたから見つけるのは容易いことだった。
面白いと思えるものはほとんどなかったけれど…ひとつ使えそうな題材があった。
高校生男女の時を超えた恋愛ファンタジー。
これ系の作品なら世にも山ほど存在するし、少しくらい改変すればアイデアを盗んだ、なんてことにはならない。
そもそも彼女なら少しアイデアをもらうくらい笑って許してくれそうだ。
明はタイトルや登場人物の名前を変え、劇用の台本に仕立てた。
小説とは少し話を組み替えたりもした。
だから、これは自分が作った作品。
深沢明が創り上げた作品なのだ。
そう言い聞かせた。
そう信じた。
明は彼女の名前など一切出さずに生徒配布用のパンフレットを刷り上げた。
その行動が後に大事件に繋がるとも知らずに。