青の葉の、向かう明日。
「ありす、デートしよ」
「えっ?」
追いつかれたと思ったらあっという間に私の前に立ち、意味不明な日本語を繰り出して来た。
「付き合ってもいないのにデートなんて…」
「んじゃあ、付き合って。今日だけで良いから」
彼はそう言うと私の右手をぐいっと引っ張って走り出した。
「ちょ、ちょっと!止まって!」
「止まらない。だって今日はクリスマスだもん。勉強だけじゃつまらない。クリスマスらしいことしようよ、一緒に」
彼の背にかける言葉など思いつかなかった。
たぶん何を言っても聞かないから。
関わらないでとあれほど言っても聞かなかったから。
ならば仕方がない。
その言葉通り、傍にいてもらうしかない。
私はそんな彼が、
私の傍から離れないように、
私の前から消えないように、
ただ見ているしかない。
私の歩幅に合わせながらも、少しずつ加速していく。
人通りが多くなる。
街の灯りが増えていく。
イルミネーションに彩られた街が、
ひたすらに美しい。
赤、オレンジ、黄色、
あっちは青と紫…。
こんなにも鮮やかな景色があったんだ。
机に齧り付き、参考書と睨めっこの毎日では確かに気づかない。
見過ごしてしまったことがこの他にもあるのかもしれない。
ならば、今ここで
彼に教えてもらったなら、
それは感謝しなければならない。
たったひと言伝えるだけでいい。
「ありがとうございます」
「何改まって?まぁ、ありすが喜んでくれるならそれが一番だけど」
彼は笑ってくれるから。
私の言葉ひとつで
こんなにも眩しい笑顔を見せてくれるから。
「あ!あっちもきれい!行こ、ありす」
握られた手のひらがほの温かい。
伝わる熱で分かる。
あなたはすごく優しい人。
だからどうか…幸せで。
この先私を見離したとしても、
その先でただ笑ってくれたらそれでいい。
ううん、それがいい。
なぜか私の味方になってくれたあなたに心の底から願うよ。
聖なる夜に願う。
こんな私を救ってくれたあなたに
誰よりも大きな幸せが訪れますように。
「えっ?」
追いつかれたと思ったらあっという間に私の前に立ち、意味不明な日本語を繰り出して来た。
「付き合ってもいないのにデートなんて…」
「んじゃあ、付き合って。今日だけで良いから」
彼はそう言うと私の右手をぐいっと引っ張って走り出した。
「ちょ、ちょっと!止まって!」
「止まらない。だって今日はクリスマスだもん。勉強だけじゃつまらない。クリスマスらしいことしようよ、一緒に」
彼の背にかける言葉など思いつかなかった。
たぶん何を言っても聞かないから。
関わらないでとあれほど言っても聞かなかったから。
ならば仕方がない。
その言葉通り、傍にいてもらうしかない。
私はそんな彼が、
私の傍から離れないように、
私の前から消えないように、
ただ見ているしかない。
私の歩幅に合わせながらも、少しずつ加速していく。
人通りが多くなる。
街の灯りが増えていく。
イルミネーションに彩られた街が、
ひたすらに美しい。
赤、オレンジ、黄色、
あっちは青と紫…。
こんなにも鮮やかな景色があったんだ。
机に齧り付き、参考書と睨めっこの毎日では確かに気づかない。
見過ごしてしまったことがこの他にもあるのかもしれない。
ならば、今ここで
彼に教えてもらったなら、
それは感謝しなければならない。
たったひと言伝えるだけでいい。
「ありがとうございます」
「何改まって?まぁ、ありすが喜んでくれるならそれが一番だけど」
彼は笑ってくれるから。
私の言葉ひとつで
こんなにも眩しい笑顔を見せてくれるから。
「あ!あっちもきれい!行こ、ありす」
握られた手のひらがほの温かい。
伝わる熱で分かる。
あなたはすごく優しい人。
だからどうか…幸せで。
この先私を見離したとしても、
その先でただ笑ってくれたらそれでいい。
ううん、それがいい。
なぜか私の味方になってくれたあなたに心の底から願うよ。
聖なる夜に願う。
こんな私を救ってくれたあなたに
誰よりも大きな幸せが訪れますように。