王子様のないしょ話 ~僕は初恋の彼女を溺愛する
パレードが進むうちに、どこからか
「キャ――――――――!!」
という黄色い悲鳴が聞こえてきた。
(ああ、《プリンス親衛隊》だ)
すぐにわかった。
彼女たちは、僕が公の場(といってもほとんどが貴族の前限定なのだけど)に出るときや、そのために移動するときに待ち伏せしていて、こんな風に悲鳴を上げる。
最初に彼女たちから「キャ――――!」と言われたときは、びっくりしてじいの後ろに隠れてしまった。
……正直、恐ろしかった。
そのうちだんだんと悲鳴を聞いても驚かなくなったが、ひそかに
(彼女たち、苦手だな……)
と思っていた。
男にとって、女の子の集団が自分に向かってくる(それが例え好意をもっていたとしても)のは、少し怖気づいてしまうものである。
しかも怖気づいている、ということを気取られてしまうと、『男のくせに』と言われてしまいそうで、それをおくびにも出さないように、演技しなければいけない。
だから彼女たちに遭遇するのは、苦手だし、苦痛だった。
「キャ――――――――!!」
という黄色い悲鳴が聞こえてきた。
(ああ、《プリンス親衛隊》だ)
すぐにわかった。
彼女たちは、僕が公の場(といってもほとんどが貴族の前限定なのだけど)に出るときや、そのために移動するときに待ち伏せしていて、こんな風に悲鳴を上げる。
最初に彼女たちから「キャ――――!」と言われたときは、びっくりしてじいの後ろに隠れてしまった。
……正直、恐ろしかった。
そのうちだんだんと悲鳴を聞いても驚かなくなったが、ひそかに
(彼女たち、苦手だな……)
と思っていた。
男にとって、女の子の集団が自分に向かってくる(それが例え好意をもっていたとしても)のは、少し怖気づいてしまうものである。
しかも怖気づいている、ということを気取られてしまうと、『男のくせに』と言われてしまいそうで、それをおくびにも出さないように、演技しなければいけない。
だから彼女たちに遭遇するのは、苦手だし、苦痛だった。