王子様のないしょ話 ~僕は初恋の彼女を溺愛する

王子様、恋をする

 それ以来、頭の中が彼女のことで一杯になった。

 そして何故か、感情の波が大きく揺らぐようになり、上機嫌になったかと思うと、怒りっぽくなったり、落ち込んだり、我ながら忙しい。

 両親はそんな僕を見て、首を傾げるだけだったが、さすがにいつも一緒にいるじいは、理由に気付いた。


「王子様、先日のパレードの日、シンデレラを見つけられましたね?」

「すごい!じい、どうしてわかったんだ?」

「王子様が、恋をされていますから」

「……こ、い?」

「はい」

 にっこりと笑うじいは、すごく嬉しそう。
< 16 / 31 >

この作品をシェア

pagetop