王子様のないしょ話 ~僕は初恋の彼女を溺愛する
じいは時々こういう顔をする。
古くは、一か月以上おねしょをしないで朝を迎えられた時。
僕の身長が、じいの肩を超えた時。
家庭教師の出す質問に、全問正解出来た時。
僕がなにかしら”成長した”ときに、いつもじいはこんなふうに優しい笑みを湛えてきた。
「じいは、僕が恋をして、嬉しい?」
「勿論ですよ。王子様が、生涯の伴侶を見つけられたということですからね」
「……じいに、生涯の伴侶はいるの?」
「勿論いましたよ。今はこの世にいませんが、私は死ぬまで彼女を愛します」
「この世にいないの?それは、寂しいね……」
「そうですね。寂しいですが、寂しくないとも言えます。生涯愛する相手を見つけられたというのは、見つけられないよりはるかに豊かな人生を歩めるということですから」
「ふーん……」
古くは、一か月以上おねしょをしないで朝を迎えられた時。
僕の身長が、じいの肩を超えた時。
家庭教師の出す質問に、全問正解出来た時。
僕がなにかしら”成長した”ときに、いつもじいはこんなふうに優しい笑みを湛えてきた。
「じいは、僕が恋をして、嬉しい?」
「勿論ですよ。王子様が、生涯の伴侶を見つけられたということですからね」
「……じいに、生涯の伴侶はいるの?」
「勿論いましたよ。今はこの世にいませんが、私は死ぬまで彼女を愛します」
「この世にいないの?それは、寂しいね……」
「そうですね。寂しいですが、寂しくないとも言えます。生涯愛する相手を見つけられたというのは、見つけられないよりはるかに豊かな人生を歩めるということですから」
「ふーん……」