王子様のないしょ話 ~僕は初恋の彼女を溺愛する
 シンデレラのことを思い浮かべると、同時に思い起こすことがある。

 彼女のママハハや義姉のことだ。


 この間のパレードでは、彼女は見学にくることが出来ていた。だから、僕があの日案じたように、家に閉じ込められたりはしていないのかも知れない。

 だが、改めて物語を読んでみると、彼女はママハハたちから家の仕事や何やらを押し付けられ、まともに衣服や食事、暖かい寝場所を与えられていないようなのだ。

 僕は義憤にかられた。

 たとえ僕と全く関係のない少女の話だったとしても、実の母をなくした子供が、ママハハや義姉からいじめられていると聞けば、すごく頭にくるし、助けたくなってしまう。

 ましてやそれが、僕の恋するシンデレラなのだ。

 今、こうしている瞬間にも、彼女はママハハたちからのいじめを受け、苦しんでいる!

 助けに行かなくちゃ!でも、どうやって?

 僕は彼女がどこに住んでいるのかも、わからない。

 となれば、困った時の”じい頼み”だ。
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