王子様のないしょ話 ~僕は初恋の彼女を溺愛する
「またお会いしたいと思われる、そのお気持ちはわかりますが、舞踏会の日までお待ちください」

「待てないよ!」

「王子様……」

「だって、今だって彼女は、ママハハや義理の姉からいじめを受けているんだよ!それがわかっているのに、何も出来ないなんて、耐えられないよ!舞踏会なんて、何年先の話なんだ?それまで黙って彼女の苦しみを放っておくのか?」

バレてしまったからという開き直りもあって、僕は心の中にあった焦りや不満をじいにぶちまけた。

「僕は今すぐにでもシンデレラを助けに行って、ママハハや義理の姉をとっちめてやらなきゃ!」

「王子様!!」

 今までに聞いたことのない、じいの厳しい声音にビクっとした。

 恐る恐る顔を見ると、表情もすごく険しい。
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