王子様のないしょ話 ~僕は初恋の彼女を溺愛する
僕は出来ればお話が開始する前に、その少女に会いたいと思った。
両親や王家の侍従長(僕は『じい』と呼んでいた)は、僕の気持ちを尊重したいと言ってくれたが、周囲の貴族は難色を示した。
特に《プリンス親衛隊》のリーダー的存在を娘に持つ公爵は、「いくら将来の伴侶になる可能性が高いとはいえ、身分の低い男爵家の娘と、一国の王子様がお会いするなんて、言語道断です」と猛反対した。
僕はその公爵の物言いが釈然とせず、後でじいに聞いてみた。
「なぜ公爵は、僕のお嫁さんになる『シンデレラ』のことを、”伴侶になる可能性が高い”なんて言ったの? 可能性が高いんじゃなくて、伴侶になると、もう決まってるんでしょ?」
「そうですねえ…」
じいは、考え考え説明してくれた。言葉を丁寧に選んでいる感じだ。
「公爵様は、何と申しますか、国王陛下であるお父上や、王妃陛下であるお母上のことがお好きなのですよ。それで、お父上やお母上ともっと仲良くなるには、息子である王子様と、ご自分の娘さんが結婚すればいいと、お考えのご様子です」
両親や王家の侍従長(僕は『じい』と呼んでいた)は、僕の気持ちを尊重したいと言ってくれたが、周囲の貴族は難色を示した。
特に《プリンス親衛隊》のリーダー的存在を娘に持つ公爵は、「いくら将来の伴侶になる可能性が高いとはいえ、身分の低い男爵家の娘と、一国の王子様がお会いするなんて、言語道断です」と猛反対した。
僕はその公爵の物言いが釈然とせず、後でじいに聞いてみた。
「なぜ公爵は、僕のお嫁さんになる『シンデレラ』のことを、”伴侶になる可能性が高い”なんて言ったの? 可能性が高いんじゃなくて、伴侶になると、もう決まってるんでしょ?」
「そうですねえ…」
じいは、考え考え説明してくれた。言葉を丁寧に選んでいる感じだ。
「公爵様は、何と申しますか、国王陛下であるお父上や、王妃陛下であるお母上のことがお好きなのですよ。それで、お父上やお母上ともっと仲良くなるには、息子である王子様と、ご自分の娘さんが結婚すればいいと、お考えのご様子です」