王子様のないしょ話 ~僕は初恋の彼女を溺愛する
 運命の相手って、すごい!

 沢山の人の中から、見つけられるほど、()かれあっているということなのかな?

 僕はパレードが楽しみで仕方がなかった。


 そしてパレード当日。

 沿道に詰めかけた町の人達に手を振りながら、どこに僕の運命の人がいるのか、ドキドキしながら馬車に揺られていた。

 父と母が乗る馬車に向かって、手を振ったり、紙吹雪をちらしたり、花を投げたりする大勢の人。

 ああ、僕らはこの人たちに支えられて物語を紡いでいくんだな。

 そのことを実感出来ただけでも、このパレードを行った意味があったと思った。


 でもやはり、心はシンデレラを思って(はや)る。

 どこにいるんだろう、僕の運命の人。

 来てくれているよね、シンデレラ。

 ……そもそも、このパレードを見に来ていなかったりして?
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