王子様のないしょ話 ~僕は初恋の彼女を溺愛する
 そう思いいたって、はた、となった。

 そうだよ、シンデレラは父親の再婚相手であるママハハや、その連れ子である義理の姉にいじめられているんだ。

「パレードに行きたい」と言っても、許してもらえなかった可能性がある。

 そう、将来僕と彼女が正式に出会う舞踏会でも、行くのを止められるように。

 なんだか猛烈に頭にきた。

(シンデレラの義母と義姉め!僕の可愛い未来のお嫁さんをいじめて、僕と彼女が会える機会をつぶすなんて、なんて奴らだ!)

 そんなことを考えながらも、僕は王族として鍛えられているので、表面はにこにこと笑いながら、沿道の人々に手を振っていた。

 でも、もしかしたら目が笑っていなくて、怖い笑顔になっていたかも知れない。

 さっきまで僕らの馬車を追いかけていた子供たちが、僕の顔を見てビクッとしてついてこなくなってしまったから。

 しかし、僕はその怒りが的外れだったことに、すぐ気が付いた。


 僕は見つけたからだ。

 僕の未来の花嫁、シンデレラを。
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