本能の赴くままに、身を委ねる。
しばらくして、銀河さんが迎えに来てくれた車に乗り込み、そのまま今日は家に帰ったのだった。
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私、東堂姫華(とうどうひめか)は高校二年生のごく普通の高校生……だと思う。家は東堂財閥と言って、全国に名の知れた企業を抱えている。
両親はそこの社長をしていて、いわゆる“お嬢様”の家系に長女として生まれ育った。
多分他の家の子達よりも裕福な暮らしを送れているんだろうけど、私はそれがどうも不満に思っていた。
幼い頃から勉強を強要され、小学校のお受験を受けさせられた。そのおかげで、高校までのエスカレーター式の学校に入学できたんだけど……。
まぁ、その学校がとても息苦しくて窮屈だった。お金持ちの家しか入れないという学校であってか、みんなどこかの御曹司やお嬢様ばかりだった。
はたから見たら夢のような生活だと思う。
でも、私は地獄でしかなかった。何をするにも“名家の令嬢として相応しい対応をすること”を一番に求められる。