本能の赴くままに、身を委ねる。

しばらくして、銀河さんが迎えに来てくれた車に乗り込み、そのまま今日は家に帰ったのだった。


***


私、東堂姫華(とうどうひめか)は高校二年生のごく普通の高校生……だと思う。家は東堂財閥と言って、全国に名の知れた企業を抱えている。


両親はそこの社長をしていて、いわゆる“お嬢様”の家系に長女として生まれ育った。


多分他の家の子達よりも裕福な暮らしを送れているんだろうけど、私はそれがどうも不満に思っていた。


幼い頃から勉強を強要され、小学校のお受験を受けさせられた。そのおかげで、高校までのエスカレーター式の学校に入学できたんだけど……。


まぁ、その学校がとても息苦しくて窮屈だった。お金持ちの家しか入れないという学校であってか、みんなどこかの御曹司やお嬢様ばかりだった。


はたから見たら夢のような生活だと思う。


でも、私は地獄でしかなかった。何をするにも“名家の令嬢として相応しい対応をすること”を一番に求められる。
< 7 / 8 >

この作品をシェア

pagetop