きっと・・・
 玄関であっちゃんが

瑠姫の頭をなでて言った。

「瑠姫?イイ子でいるんだぞ

ママの事よろしく・・・」

「うん!!」

瑠姫はなんにも知らずに

笑顔であっちゃんに手をふる。

色あせたピンクのライオン

アパートの鍵を取り

あっちゃんはそれを私に渡した。

もう、二度とここへ来れない・・・

足が動かなかった。

あっちゃんに背中を押され

私たちは歩き出した。

 あの手紙をすぐに捨ててしまえば

こんな事にならなかった。

あっちゃんの優しいい手も

やさしい声も

あったかい心も・・・
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