唯牙くんの手のひらの中
唯牙くんの手のひらの中

1話

ガチャリ





…唯牙くんが、帰ってきた…!




急いで玄関に向かって走る。

…って、いけない。うるさくならないよう、静かに走らなくっちゃ…!

唯牙くんはにぎやかな場所とかうるさい所が嫌いだから。


ガチャガチャと音がならないように、できるだけ気をつけて走る。




「お、おかえりなさい…唯牙くん。」



「ただいま、萌香。今日もいい子にしてた?」


「うん…ちゃんと、唯牙くんとの約束守っていい子にしてたよ…。」



「そっか、萌香は偉いね。」



そういいながら私を撫でる唯牙くん。


ビクッとしてしまった私に、少し眉を寄せた唯牙くんだったけど撫でるのはやめてない。



…ほっ。どうやら合格みたい。



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