唯牙くんの手のひらの中
「ねぇ萌香。」


あれ…私、今日は合格のはずじゃ…?


少し機嫌が悪い時に唯牙くんが出す声に不安になりながら振り向く。




「ど、どうしたの…私、何かしちゃったかな…?」


「本当に気づいてないの?」


はぁ、とため息をつく唯牙くんにますます不安になる。



私何をしてしまったんだろう…?

ビクビクしながら唯牙くんを見ると、おどおどしている私の姿ににますますムカついてしまったみたい。 




「ごめんなさいっ!なにかしちゃったなら謝るから…!だから…っ」



「なんでわからないかなぁ〜…萌香、動いたでしょ?ほら、その証拠に…」



私の足元を指さしながら唯牙くんは言う。



「こんなに絡まってる。萌香が動いていいのは僕を出迎える時だけって言ったよね?それだけじゃこんなに絡まるはずないよね…
ねぇ、萌香はなんで動いちゃったの?」


ゆっくり動き、ゆっくり喋るその姿が怖くてたまらない。



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