それらすべてが愛になる
2. 忘れえぬ出来事
「え、えええっ!?な、なんで、、」
清流は何度か瞬きを繰り返すと、目の前の光景に文字通り飛び起きた。
ありえない人影を前に、寝起きでまともに働かない頭であやふやな記憶を手繰るも、何も思い出せない。
「……寝起きに叫ぶなって」
この状況で叫ばない人がいるなら教えてほしい。
叫んだ瞬間に頭の奥が鈍く痛む。
それが二日酔いの痛みだと分かったが構ってなどいられない。
一方の洸は、薄目を開けるもまだ視点がぼんやりとしていた。
窓の外から差し込む光が色素の薄い瞳に反射して、少し眩しそうに眇めると乱れた髪を鬱陶しそうにかき上げている。
その仕草は、寝起きの悪さを霞ませるくらいには色気を含んでいて、清流の心拍数を跳ね上がらせるには十分だった。
「…おはよ」
「お、おはようございます…じゃなくてっ、服着てください!」
「着てるけど」
「バスローブ一枚じゃないですか…っ」
起き上がることもなく、寝た状態のまま一つ大きなあくびをする。
落ち着き払っているというよりも、本気でまだ眠いだけなのかもしれなかった。
一つのベッドの上で向かい合っているという状況が恥ずかしいけれど、自分だけが意識しているように思えて迂闊には動けず、洸が覚醒してくれるのをひたすら待つしかない。
清流は何度か瞬きを繰り返すと、目の前の光景に文字通り飛び起きた。
ありえない人影を前に、寝起きでまともに働かない頭であやふやな記憶を手繰るも、何も思い出せない。
「……寝起きに叫ぶなって」
この状況で叫ばない人がいるなら教えてほしい。
叫んだ瞬間に頭の奥が鈍く痛む。
それが二日酔いの痛みだと分かったが構ってなどいられない。
一方の洸は、薄目を開けるもまだ視点がぼんやりとしていた。
窓の外から差し込む光が色素の薄い瞳に反射して、少し眩しそうに眇めると乱れた髪を鬱陶しそうにかき上げている。
その仕草は、寝起きの悪さを霞ませるくらいには色気を含んでいて、清流の心拍数を跳ね上がらせるには十分だった。
「…おはよ」
「お、おはようございます…じゃなくてっ、服着てください!」
「着てるけど」
「バスローブ一枚じゃないですか…っ」
起き上がることもなく、寝た状態のまま一つ大きなあくびをする。
落ち着き払っているというよりも、本気でまだ眠いだけなのかもしれなかった。
一つのベッドの上で向かい合っているという状況が恥ずかしいけれど、自分だけが意識しているように思えて迂闊には動けず、洸が覚醒してくれるのをひたすら待つしかない。