トライアングル・ロマンス


「あの……よければ、これからも私がご飯作りましょうか」


食事を終えてまったりとお茶を飲んでいる中、恐る恐る提案してみる。

チラリとお母さんに視線を送れば「でも澪、引っ越してきたばかりなのに大変じゃない? 今までは澪に甘えてお願いしてたけど、お母さんだって作れるのよ?」と私を気遣った言葉をくれる。


これまではお母さんの負担を少しでも減らしたいからと進んで料理をしていた。私のそんな思いを、お母さんも汲み取ってくれていたのだろう。

だけど、お母さんはこっちでも仕事を続けるそうなので家を空けることも多いだろうし、さっきの話を聞いた限りだと、お父さんだって同じようなものだろう。

それなら私が作った方がいいのではないかと思って提案してみたのだ。

料理はこれまでもほぼ毎日作っていたから、それ程負担になることもないし。

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