トライアングル・ロマンス
サチちゃんの言葉を聞いた女の子たちは「せやな。澪ちゃんごめんな変なこと言って」「大悟のアホの話なんて聞くんやなかったな」なんて、少し申し訳なさそうにしながらも笑顔で声を掛けてくれる。
「……ううん、全然大丈夫だよ!」
顔を上げて、何とか笑顔を作ってそう返したけど――胸にはまだモヤモヤとした小さな不安が渦巻いていて。
だけどそのタイミングで先生がやってきたので会話は終了し、授業が始まってしまった。
自分の席に戻る間際、「澪ちゃんごめんな」と謝ってくれたサチちゃん。
サチちゃんは何一つ私に謝ることなんてないのに。優しい子だなと思った。
――そう。あの日から、もう三日が経ったということになる。