トライアングル・ロマンス


女の子たちも数人の男の子たちも、皆友好的な態度で声を掛けてくれる。毎日挨拶だってするし普通におしゃべりもするけど……私が勝手に壁を作ってしまって、どこか余所余所しい態度をとってしまう。

あの時の事が忘れられなくて、嫌われたらどうしようって思ったら……何だかうまく笑えない。

だから皆も、どことなく私への接し方に迷っているように感じる。


――友だちって、どうやって作るんだっけ?


このままじゃ駄目だって分かってるのに……どうすればいいのか分からない。
なんで上手くいかないんだろう。

下を向いて唇を噛み締めていれば、後ろから、最近聞き慣れたばかりの明るい声が聞こえてきた。


「あれ? ぼっちで帰っとんの?」


ちらりと後ろに視線を向ける。
これは……徹くんだろうか、馨くんだろうか。

黒いランドセルを背負って、片手には給食袋をぶら下げている。

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