トライアングル・ロマンス


初めは中々クラスに馴染めなかったけど、しばらくすれば変な溝もなくなり、軽口を叩き合える友人もたくさんできた。転校して一番最初に話しかけてくれたサチちゃんとは、今でも頻繁に連絡を取り合うくらいには仲がいい。

――あ、そうだ。思い出した。

後から分かったことだけど、転校初日に私に突っかかってきた大悟くんは、本当は私と仲良くなりたかったらしいのだ。だけどなんて声を掛ければいいのか分からなくてあんな態度をとってしまったのだと、サチちゃんにこっそり教えてもらったんだっけ。

正直に言えば、初めはその言葉を信じることができなかった。

だけど数日後、なぜか半泣き状態の大悟くんが直接謝りに来て、本人の口から友だちになろうって言われたんだよね。


久しぶりに見た夢の影響か、幼少期の思い出がポンポンと頭に浮かび上がってくる。

――本当、懐かしいな。

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