トライアングル・ロマンス
「あのねぇ……澪の弟たちって今高三でしょ? で、もうすぐ大学生。もう子どもじゃないんだから、いつまでも姉ちゃんに甘えてんじゃない! くらいは言ってあげないと」
「うっ、そうだよね……でも弟に頼られるとつい張り切っちゃうというか、甘やかしちゃうというか……」
「全くもう。弟くんたちがかわいいのは分かるけどねぇ……。あ、そういえば、弟くんたちって確か大学に進学するのよね? もしかして、こっちに来るとか?」
「ううん。地元の国立大に行くって言ってたよ」
私が東京の大学に行くと決まった時には、徹も馨も揃って「俺も東京の大学に進学する!」と両親に言っていた覚えがある。
だから二人から地元の大学に合格したと聞いた時には、口には出さなかったけど、正直少しだけ驚いた。
もちろん二人が決めたことだから反対する気なんて更々ないし、国立大に受かったなんて姉としては誇らしく思うけれど。