トライアングル・ロマンス
「姉ちゃん! 元気にしとった?」
「なんや、会うんは久しぶりな感じがするなぁ」
綺麗なミルクティー色と、モカブラウン色の髪。高校入学を機に真っ黒だった髪を染めた二人は、背もぐんと伸びて更に格好良くなった。
キラキラとした眩い笑顔で手を振っているのは、兄の徹。
のんびりとした口調でへらっと朗らかな笑みを浮かべているのが、弟の馨だ。
双子だけど、仕草や表情一つとっても全然違うことがよく分かる。長年一緒に過ごしてきたからこそ、小さな違いにも気づけるようになったんだろうけど。
――って、今はそんなことどうでもよくて!
「な、なんで二人がうちに……!?」
「「何でって……」」
顔を見合わせた二人が、ニヤッと意地の悪い笑みを浮かべる。
――あっ、まずいかも。
二人がこういう顔をする時は、悪巧みが成功した時か、何か面白いことを見つけた時か。
とにかく、碌でもないことであるのだけは確かだ。