トライアングル・ロマンス
再婚してから知ったことだけど、お父さんは結構なお金持ちだった。
職場でもそれなりに偉い立場にいるみたいで、仕事の関係であちこち飛び回ることも多い。
余談だけど、お父さんが関西弁でなく標準語を話すのは、接待の関係もあって標準語を話す方が色々勝手が良いかららしい。
――まあそんなわけで、大学在学時には家賃から学費まで、当たり前みたいにお父さんが全額負担してくれていたのだ。
入学当初は仕送りまで送ってくれようとしていたけど、せめて生活費は自分で何とかすると説得してアルバイトをしていた。
お父さんは不服そうだったけど、こんなに良いマンションで一人暮らしをさせてもらっているというだけでも十分だし、一生頭が上がらないくらいの贅沢をさせてもらっている。……って、思っていたんだけど。