トライアングル・ロマンス


***


今日は私が一番乗りの帰宅だったみたいだ。

徹も馨も講義が終わり次第まっすぐに帰宅するというメッセージが入っていたから、あと一時間もすれば帰ってくるだろう。

二人が帰ってくる前に夕飯を作ってしまおうと決め、冷蔵庫の中を覗いて献立を考える。
……卵がたくさんあるし、オムライスでも作ろうかな

五つ、六つ、七つ……。昨日特売で買った卵たちをボウルの中に入れていく。

食べ盛りの男の子が二人もいると、多めに作り過ぎたと思ってもぺろりと平らげてしまうのだ。作り手としては、あの食べっぷりは見ていて嬉しい限りだけど。


出来上がったオムライスをお皿に盛りつけていれば、リビングの扉が開く音が耳に届く。対面式のキッチンとなっているので、ここからリビングは丸見えだ。


「ただいま」

「おかえり、馨」


先に顔を覗かせたのは、弟の馨だった。
薄っぺらい黒のリュックをソファに置いて、一直線にこちらへ歩いてくる。

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