トライアングル・ロマンス


「“馨くんがね、俺やなくて兄の徹に聞けば連絡先もすぐ教えてくれるから、そっちあたってもろてもええかって言うの。だから徹くん、連絡先教えてくれる?” ってなぁ……。お前なんやねん! 何でもかんでも俺に押し付けんのやめえや!」

「だって面倒くさいやん」

「はぁ……お前はもう少し他人に関心向けた方がええで。別に連絡先くらい教えてやればええやろ」

「だったら別にええやん。俺やなくても徹が連絡先教えたればいい話やろ」

「おん、だから俺やなくて馨の連絡先も何人かに教えといたわ」

「なっ……、最近知らない女子から連絡くるんはお前の仕業やったんか」


目の前で繰り広げられる会話に耳を傾けながら、弟たちのモテっぷりに思わず感嘆のため息が漏れそうになる。

弟たちの女子からの人気ぶりは健在らしい。

むしろ、年々拍車がかかっているというべきか。まあこれだけ容姿が整っていれば至極当然のことなのかもしれないけど。

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