不器用なアイツと本音を言えないわたし

 授業の班活動でも、班で意見をまとめましょう、
 なんてなっても、あいつがいるとまわりに全然どうでもいいことで話かけたり、
 ケンカが始まったりと脱線して、まずまとまらない。
 そのたびに一緒の班のわたしは、あきれてため息がでてしまう。

結「花音、すごくない? なんか花音があいつにやれって言うと、真面目にそのあとやるじゃん。どうやってあんなうまくなだめるの?」

 ゆっちゃんが、笑いながら聞く。
 ……べつにうまくなだめてるわけじゃない。
 いちいち反応するのが疲れるから、ちょっかいをだされても返事をまともにしないだけ。
 しばらくどうでもいい返事を返してから、すこし真面目な言い方で「そろそろやるよ」って声をかければなんとなくそのあとは真面目にやってくれることをなんとなくわかってた。

花「……世話係なんて、迷惑なんだけどな」

 そうつぶやくわたしに

結「先生にたよりにされてるんじゃない? おつかれ!」

 ゆっちゃんがわたしの顔をのぞき込んで、にかって笑った。
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