優しくしないで、好きって言って

「ちょっ、なななんで竜胆(りんどう)が……!」

「なんでと言われましても……お嬢様をちゃんと起こすよう、奥様に頼まれましたので」


 うっ。

 たしかに竜胆は正真正銘私の〝お世話係〟。責務を全うするのは、当然のことだろうけど。


「だ、だからって、女の子の部屋に勝手に入らないでよ」


 驚いたままの心臓で小さく抗議の声を上げる。

 そして寝癖のついた髪と顔を隠すべく、慌てて真っ白な布団を深く被った時だった。


「ご安心を。23の男が7つも歳下の……しかも高校生相手に寝込みを襲うような真似は致しませんので」


 はぁ!?

 サラリと放たれたそれに、一瞬言葉を失った。

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